工房の製作が一応終わり、またまた出張という旅に出ました。
滋賀県内を通過するときに車窓から見える雪の伊吹山がきれいでした。
鯖江の駅を出てすぐにある小高い山の中腹にこんな看板が。
出張先では木工製作もなにもできないので、以前から書きたかった「薪ストーブ」についての記事を書かせていただきます。
薪ストーブ沼にはまったいきさつ。
我が家に薪ストーブを導入したのは7年前でした。
きっかけは名古屋で夜勤の仕事をしているとき。
その仕事の元請けの会社の人が今夜の作業が終われば栃木県の自宅まで、そのまま寝ずに帰るとのこと。
私「なにをしに帰るんですか」
元請け「まきが貰えるんだ」
私「まき?槇?槇の木? そんなものをもらってどうするんですか?」
元「薪ストーブで燃やす薪をくれるというのでトラックに乗って貰いに行く」
私「薪ストーブ?って何ですか?」
元「これこれ」と携帯に保存してある写真を見せられる。
私「これが薪ストーブというものですか!」
元「暖かくて最高に気持ちいよ!」
私「へえ〜・・・・」(写真を見ながら)あッなんか足元が滑る!ああッ掴まるところがない! ズルズルズル・・・ どぼ〜ん。ハマりました。
それから仕事はそっちのけで、色々と根掘り葉掘り聞き出して教えて貰い、それまで何にも知らなかったものが、朝になる頃にはすっかり詳しくなっていました。
すぐに自宅に電話して「薪ストーブを買うよ!!!」
DIYでは無理!!
お世話になっているハウス工房さんに紹介してもらったストーブ屋さん。
最初は安い日本ブランド・中身は中華製のストーブをホームセンターなんかで買って自分で設置しようと考えていました。
しかしヨーロッパ製の「本物」は形からして全く違う。煙突工事も自分で設置することはどうも危なそうなので、本体の購入・設置工事を含めて全て専門店でお願いしました。
結果的にはお願いしてよかったです。
家の2階の屋根を突き抜けて煙突を架設するなんて、とても素人にできることではありません。
煙突は直線に立ち上げることが一番燃焼効率がいい。その一番いい状態で架設していただいています。
いろんな機種を比べましたが、これが一番いいかなあ〜と、ベルギー製の「ネスターマーチン・S43」という機種の導入を決定しました。
最初は失敗の連続
無事に設置が終わり、いよいよ自分で点火。
これがまた大変に苦労しました・・・。全然燃えない。
設置工事の時によく乾いている、いい薪を置いていってもらったのですが、なかなか燃え上がらない。
煙突からは白煙がモクモク。家中に煙が充満したり。
一旦炎が上がったのにすぐに消えてしまい、煙を噴出している薪を慌てて掴み出して家の外に放り出す、ということが何度もありました。
ご近所迷惑を気にして、点火することをためらう日が続いたり。
設置してから何シーズンかはこんな失敗の連続でした。
それが今ではすっかり上手くなり、薪がどんな状態でも種火が消えていない限り炎を復活させたり、煙をほとんど出さずに燃焼させることができるようになりました。
寒冷地の必需品
我が家は大阪府茨木市の山の近くにあり、真冬はそれはそれは寒いところ。
しかも築何十年の古い木造家屋なので、冬の寒さをまともに受けます。
家の中の温度は普通で10℃、最低は4℃以下まで下がります。
暖房器具は色々とありますが、どれも器具周辺を温めるだけ。消すとその瞬間から寒くなります。
何とか暖かく過ごせないものか?と考えているところに薪ストーブを知ったので、もうこれしかない!!
我が家のストーブの躯体はかなり大きく、鋳物でできているので十分に熱が廻ると全体から遠赤外線が放射されて部屋中が温まります。
家中の扉を開け放していると熱気が2階にまで上がって家全体が暖かくなり、室温は大体23℃くらいまで上昇します。
眠る時も火を落とすことはありません。薪が燃え尽きても熱くなっている本体はすぐには冷めずに、熱を放出しながらゆっくりと冷めて行き、朝まで暖かさを維持してくれます。
極寒の我が家には必需品となりました。
熱燗に威力を発揮
冬の夜に熱燗を飲む時にはいつも「薪ストーブ」を置いてよかった〜。としみじみ思います。
ストーブの天板で温めます。
最初は一番高温になる煙突近くに徳利を置いて一気に加熱。
ちょうどいい上燗になれば、低い温度を維持できる天板の端部に移動。
この辺りに置くと最高の飲み頃の温度をキープできます。
ちょっと冷めれば中央にまた移動。このあたりの加減がまた楽しい!
炎を眺めながら飲むお酒は格別という言葉を十倍したようなもの。
遠赤外線で暖められた日本酒はとても美味しくなります。
このストーブを作ったヨーロッパ人はこんな楽しみ方を知らないかと思うと不憫でならないなあ〜。
維持するには覚悟が必要
とまあ、いいことばかり書き連ねましたが、実際はそうでもないです。
維持するには薪の調達や掃除・点火の方法など手のかかることが多いのも事実。
手のかかることを楽しい!と考えることができればいいのですが、マメな人でなければ維持することは難しいと思います。
ホントのところ、あまり人には勧められるものではありません。
そのあたりのことを次回に報告させていただきます。