宮城県に出張
もちろん仕事で。
日曜日になり仕事はお休みではあるけれども、往復63,000円の飛行機代がかかるのでおいそれと自宅に帰る訳にはいきません。
仕方なく、異国の地で暇な一日を過ごすことに。
ビジネスホテルの狭い部屋にいても息が詰まるので、東日本大震災の大津波に耐えた「奇跡の一本松」を見に出かけました。
石巻市の「がんばろう!石巻」の大看板とともに震災の遺構として一度は見ておきたかったものです。
甚大な被害を受けた陸前高田市
街の中心部が震災で壊滅的な打撃を受けました。
震度6の大地震とマンションの4階にまで達する18mにも及ぶ大津波。
胸が痛くなりますね。
気仙沼市からは車で国道45号線を北上、40分ほど走ったところにあります。
朝はゆっくりと起きて出発。東北地方の1月末なので、非常に寒い。道路沿いの温度表示は「0度」でした。
でも晴れていて日差しがあるので、体感温度はそれほどでもなく。
渋滞もなく無事に到着。
広い駐車場があり、物産店やカフェがありました。
駐車場は「一本松茶屋」という名前。道の駅のようになっています。
水沢・一関・遠野。
道路標識には見慣れない地名が並んでいて、遠くまで来たなぁ〜。
あたりは一面の更地となっていて、日曜日というのに造成工事が続いています。
一日でも早い復興を!ということでしょう。
一本松までは歩いて15分くらい
車を停めて歩いて現地まで。
一本松まではちょっと距離があり、ゆっくり歩いて15分ほど。
バス停もあります。
実はバス停ではなくBRTの停留所。
BRT(バス・ラピッド・トランジット)とは、専用の道路を走るバス路線のこと。
震災でJR大船渡線が壊滅したあと、線路があった部分を道路にしてバスを走らせています。
気仙沼市ではドラゴンレール大船渡線として走っています。
平成27年から運用している、鉄道会社の駅ということになります。
本来の鉄道が復旧すれば撤去されるのでしょう。
仮設ながら一本松までの順路は整備されています。
延々と歩きますよ。
気温は0度で突き刺すような寒さではあるのに、スキー場にいるように空気が澄んでいてとても気持ちがいい!
深呼吸をすると体内が浄化されるような感覚になります。
今日は快晴で良かったけれど、これが雨とか雪なら15分歩くのはちょっと無理かも。
夜間はライトアップされているみたいですが、この時期は極寒で真っ暗であかんでしょう。
向こうの方に見えて来ました。
順路の途中には地震が来た時の緊急避難路の案内がいくつも。ちょっとした緊張感があります。
大回りしながらも、もう少しで着くみたい。
奇跡の一本松と対面
巨大な防波堤を背景に見えて来ました。
なにやら崩れた建物もあります。
説明板も備え付けられています。
たどり着きました。
この辺りは高田の松原として有名で、防潮林でもあった松並木の約7万本もあるうちの数本だけが残った。
あの大津波によく耐えたもの。他の多くの松の木は高さ1mくらいで破断されて吹っ飛んだようです。
しかしやはり塩害にやられて立枯れしてしまった。
震災の前から休業していたので人的な被害はなかったそうで、不幸中の幸いか。
ヒョロ松くん
やなせたかしさんが描いた「ヒョロ松くん」のオブジェ。
「やなせたかしさんが「奇跡の一本松」をモデルにして描いたイラストを基に製作しました。
東日本大震災の大津波に唯一耐えた松の木に深く感銘したやなせ氏から、塩害により枯死した一本松の保存整備の為の「奇跡の一本松保存募金」に多大なご支援をいただきました。
また一本松から接木をして生まれた四本の苗木はやなせ氏に命名していただき、現在も大切に育てられています。」
と銘板に記されています。
一本松についてWikipediaから転載します。
「奇跡の一本松(きせきのいっぽんまつ)は、岩手県陸前高田市気仙町の高田松原跡地に立つ松の木のモニュメントである。
太平洋につながる広田湾に面した高田松原(以下「松原」と略記)は、350年にわたって植林されてきた約7万本の松の木が茂り[3]、陸中海岸国立公園(現三陸復興国立公園)や日本百景にも指定されていた景勝地であったが、2011年(平成23年)3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震による津波の直撃を受け、ほとんどの松の木がなぎ倒されて壊滅した。しかし、松原の西端近くに立っていた一本の木が津波に耐えて、立ったままの状態で残ったことから、この地震と津波(東日本大震災、以下「震災」と略記)が陸前高田市のみならず広く東日本の太平洋沿岸地域一帯に甚大な被害をもたらした中にあって、この木は震災からの復興への希望を象徴するものとしてとらえられるようになり[4]、「奇跡の一本松」や「希望の松」などと呼ばれるようになった。
震災後、この木を保護する活動が続けられたものの、根が腐り枯死と判断された。その後、震災からの復興を象徴するモニュメントとして残すことになり、幹を防腐処理し心棒を入れて補強したり枝葉を複製したものに付け替えたりするなどの保存作業を経て、元の場所に再び立てられている。この作業には多額の費用が投じられたこともあって、保存の是非を巡っては賛否両論が巻き起こった。」
ということで、すでに枯れてしまった松をオブジェとして残すために1億5千万円かけて再生しました。
平成25年の完成当時はかなりの批判もあったようです。
それだけの金があるなら復興にまわしてほしいとか。
部外者がいうことではありませんが、復興のシンボルとしては十分に意義があると思いますよ。
その保存にかかる費用も全て募金で賄ったとのこと。
国内のみならず、海外からも多くの募金が集まったようです。
松の木を9本に分割して、心棒を通し樹脂で固めたサイボーグとしてまた立ち上がりました。
葉の部分は造花となっています。
写真もたくさん撮り、しっかり目にも焼き付けて引き返します。
次に来るときにはすっかり復興が終わっているように願いながら。
街があったと思われるところ。
どんな街が新たにできるのでしょうか?
海鮮うどん
一本松茶屋の中にある「和cefe つるや」
マスターお勧めの「海鮮うどん」をいただきました。
大量に入っているワカメの香りがそそる!
ワカメは三月に収穫ですが、その前に「間引き」をする。
その間引きをしたワカメを使っているとのこと。
これはワカメ農家かその親戚しか味わえないもの、であるそうです。
確かに。ホタテも入っていて病みつきになるくらい美味い!
WoddyでJazzが流れる店内。
また是非来たいもの。
旨そうなラーメン屋さんもありました。
カフェ K-port 落ち着きましたよ
震災の悲惨な写真や記事をいっぱい見てちょっと疲れた。
気仙沼市に戻ってカフェを探して行きました。
気仙沼港のフェリー乗り場の前にある「K-port」という小さなカフェ。
靴を脱いで店内へ。これだけでも嬉しい。すぐに靴を脱ぐ癖があるもので。
ブレンドコーヒーの苦味がうまかった。
メニューの冊子
美味しそうなスイーツがいくつもあり、そのためか店内はほとんどが女性のお客さんでした。
久しぶりにゆっくりした日曜日。
カフェで落ち着いて本を読み、明日からの電源をチャージしましたよ。
何日持つかわかりませんが。
明日は数年に一度の大寒波が来る模様。
ここら辺りは大雪になるでしょう。