大阪からは遥かな地
森進一さんのヒット曲「港町ブルース」に登場する港町・気仙沼。
” 流す涙で割る酒は
騙した男の味がする
あなたの影を引きずりながら
気仙沼港にはこの歌の歌碑があります。
そういう演歌の街なんかな〜と思っていました。
震災の時の津波と猛火に襲われる映像を見ても何か現実とは思われず、落ち着いた街というイメージしかなく。
宮城県の中でも北端で岩手県との県境近く、大阪からは遥か遠方の東北の地。
まさか何回も行くことになるとは思いもしなかったです。
それが仕事で4回も訪れることになり、4回目の今回は約3週間滞在する予定。
もう市内は地図なしで移動ができるまでになり、自転車のトレーニングコースもいい峠を見つけて毎晩登りに行っています。
ザ・ベストオブ・何もない
JR気仙沼駅前
地名は有名なので、駅前もそれなりに賑やかなんかな〜と思っていました。
駅にはタクシーが数台停まっているのみ。
震災で線路が壊滅したので線路のあった場所を整地し、BRTというバスが代替運行していて、時刻表にも表示されています。
BRT バス・ラピッド・トランジット - Wikipedia
なんでかポケモンがお出迎え。
ここは「ホヤ(海鞘)」が名物なので、ご当地キャラ「ホヤぼーや」に登場を願うべきでしょう。
灯台のオブジェのようこそ!
駅前にはビジネスホテルが一軒だけ。
鰹・カジキ鮪・鮫の水揚げが日本一であるそうで、それぞれのオブジェがあります。
日本各地に旅をしていますが、有名な地名の駅前でこれほど何もないのは珍しい!
「ザ・ベストオブ・何もない」の称号に相応しいと思われます。
実は繁華街は少し離れた場所にあり「田中前」というあたり。
そこにはイオンもあり、賑やかな通りとなっています。
イオンを始め、スーパーマーケットはなぜか至る所にあり、買い物には全く不自由しません。
今泊まっているホテルの近くにも2軒あります。
MAIYAというチェーン店がお気に入り。
港の方に行ってみると。
一時物議を醸した、氷漬けの魚の標本が展示してある水族館
「シャークミュージアム」
港町だけあり、無数の漁船が停泊しています。
高台には真新しい震災復興住宅が建設されていて、生活が始まっている。
きれいな建物ですが、なぜか生活感はあまりありません。
3月11日からのヒカリ
ちょっと前のこと3月11日 震災の日、仕事が終わり夜にランニングをしていると、何やら空に三本の光が。
お宿に戻ってからnetで調べると気仙沼湾の鼎ヶ浦という所から光を立ち上げる
「光の慰霊碑」というイベントでした。
静かに見上げるだけのイベントであるとのこと。
1000年に一度の未曾有の大災害に静かに思いをはせる、いい催しであると思いました。
被災地で当日を迎えるのは今年で3回目、来るたびに復興は進んでいるように見えます。
現実離れ? のどかな防災無線
気仙沼市ではいつもお世話になっているビジネスホテル「アコモイン気仙沼」
部屋の中からこの辺りに放送している「防災無線放送」が聞こえてきます。
朝6時には「恋はみずいろ」の曲が。
早よ起きて仕事に行けよ〜!
18時には「家路」の音楽が聞こえてきます。
仕事を終わって早よ家に帰れよ〜!
特筆すべきが午後9時!
「赤とんぼ」の曲と共に消防本部からの呼びかけ。
「夜9時は消灯の時間です。火の元と戸締りを確かめてお休みください。」
〜 繰り返し 〜
先ほども放送が聞こえて来ました。
4月1日の今日からは曲が変わり、春らしく「隅田川」となっていました。
なんとものどかでいいものですね。
しっかし、午後9時におやすみとはどんだけ現実離れしているんや!これが役所仕事か!
とか思ってはいけません。
こういう生活を目指しましょうと教えてくれているのです。
気仙沼市を離れて都会で生活している人にとっては、ノスタルジーを感じる音なのでしょうか?
トレーニングの成果が徐々に
こちらに来てからもう2週間。
ほぼ毎晩ロードバイクで峠トレーニングをしています。
家にいるときは仕事と木工製作で全く乗れていなかったものが、出張先では仕事が終わればあとはフリー。
1回目の日曜日はひっさしぶりに100kmのロングライドに出かけました。
それがまたしんどいしんどい!
全然乗れていなかったもので、たった100kmでフラフラになっしまった・・・。
100kmの距離がこんなにも辛いものかと。
それが毎晩10%を超える勾配の山道を往復1時間30分ほども走っていると、みるみるうちに回復。
峠までの所要時間も最初は23分かかっていたものが、この頃は19分くらいにまで短縮しました。
やっぱり継続が大事。毎日乗っているとそれなりに成果が出るもの。
特に呼吸が楽になりました。
限界値近くまで心拍数を上げることは普段の生活ではまずありえない。
先週から峠道を連日走破しているために、毎日2回は心臓を口から飛び出させています。
おかげで心肺機能も急速に回復。体重はまだ変化がないものの、筋力が付いたおかげか身体が軽く感じるようになりました。
安全な峠道
気仙沼市から唐桑半島に向かう県道26号線の峠道がホームコースとなっています。
岩手県の陸前高田市に向かう国道45号線は一部自動車専用道路になっていて、自転車は通行できなく、その迂回路にもなっているようです。
岩手県方面から帰ってくる気仙沼市のロードマンは、最後の最後にこの強烈な峠を越えなくてはならない。
200kmほどのロングライドに行ったとしたら、コースの終わりにこの峠ではかなり辛いものとなるでしょう。
毎晩行く峠の山道はもちろんすでに真っ暗。でも全然危なくはないです。
山道の両側の藪の中を何かがガサガサと大きな音を立てて並走していたり、カーブでライトが藪の中を照らすと、反射して光る目玉が二つこちらを見ていたり、得体の知れない白い大きな毛むくじゃらの動物が目の前を横切って行ったり。
いやぁ〜、安全安全・・・(涙目)。
石巻市の牡鹿半島を夜に走った時なんかは、鹿の大群が自転車を追い越して行ったものです。
それに比べると・・・。
このまま調子を上げて行って、レースに復帰したいもの。
しかしレースで優勝できるレベルまで持って持っていくとなると、大変なトレーニング量が必要となります。
どうなるか、まあ気楽にやって行きます。