発覚から5年目
5年前の2020年の健康診断でPSA値が高いと指摘されて前立腺癌に罹患していることが発覚して治療を開始。
あちこちの病院を巡り、結局京大病院を紹介して頂いて放射線治療を受けることになった。
自分はガンの転移があったために、前立腺の切除術を受けることができなく放射線治療に。
治療の方法は、ガンの源巣と転移している恥骨部分の2箇所に放射線を照射するというもの。

これは当時は京大病院でも例がまだ少ない治療方法であるらしかった。
まるで現代アート
放射線治療というものはピンポイントにしっかり照射できるように自分専用の身体の型を作り、その型にそって照射する位置を直接肌にマークをする。普通の油性のフェルトペンで。
縦横に描かれたラインは現代アートのような出来栄えになる。

技師さんからはこの線が消えないように、入浴時には注意するように言われる。
自分の場合は服を着れば見えない箇所でよかったけど、部位によれば外部から見えてしまうこともあるみたい。
照射中はヒマ
大きな治療台にうつ伏せに寝かされて数分間。
痛くも痒くも全くなんともない。
眠るにしてはうつ伏せになっている時間が短いので、手持ち無沙汰で正面に見える白い高そうな機械を眺めていた。
機械の機種の名前か「True Beam」とステッカーが貼ってある。
調べてみると「varian」というメーカーみたい。

価格は10億円くらいするのかな。そんなすごい機械に治療してもらってよかったな!
PSA値は下がる
60回くらいの放射線治療を続けて、そのあとは投薬治療
イクスタンジという薬とリュープリンというホルモン療法の注射
両方ともまた高価な薬剤でイクスタンジは薬価ベースで1錠で4,000円
リューブリン注射は同じく薬価で1回64,000円

でもこれで命が助かるのなら安いもの!
しかも少し前にしっかりとがん保険に加入していたので、薬の高価さなど全く気にならなかった。
治療の甲斐があってPSAの値は順調に下がっていった。
3ヶ月に1回の定期診察
放射線治療が終わり投薬治療になると3ヶ月に1回の定期的な診察になった。
毎日半日を費やして京大病院まで通っていたので、ほっと一息。
3ヶ月後ごとの診察ではまず血液検査。その結果で住吉先生の診察を受ける。

治療が終わってからずっと仕事が忙しく、過労気味ばかりで診察を受けるのでPSA値が上がっていないかドキドキで105号の診察室のドアを開けていた。
PSA検査の結果は毎回判で押したように 0,010ng/mi.
これは基準値である 3.53ng/ml に比べて小さすぎて計測不能であるとのこと。
完治を宣言!
毎回の検査での結果がこの数値であったので、すでに完治しているのかな?
先月の診察の時に先生に思い切って聞いてみた。
今までは聞きたくても「まだまだ治療が必要」とか言われるのがちょっと怖くて聞けなかった。
聞いた結果は
「完治していますね。今は経過観察です」とあっさり。
完治を宣言していただいた!よかった!

生きて還ってきた!
5年ぶりに心が晴れた! 生還した実感!
病気が発覚した当初から全く自覚症状がなかったので、正直言って自分がガン患者であるとはとても思うことができなかった。
確かにホルモン療法で すね毛は抜け落ち、髭は生えなくなったけど自覚することはそれくらい。
でもいつもガンはどうなるのかな?と心のどこかにあったものが、とうとう解放された。
今後の診察は今まで3ヶ月ごとであったものが、4ヶ月ごとになったのでこれも安心材料。
京大病院での先端治療が自分にはあったみたい。
これからも生活習慣に気をつけて元気に暮らしていきます!