必要は発明のおかん。
会社員時代に後輩から製作の依頼を受けたプラスベッド。
1号機を作ったのは今から3年半ほど以前、平成30年8月のことでした。
そのお宅では子供が生まれて、今までのダブルベッドでは家族3人で寝るには狭い。
仕方なくお父さんだけ床に布団を敷いて寝ていました。
しかも2人目の子供が間もなく生まれる!
「継ぎ足しをできる細いベッドは作れませんか? 需要はあると思うんですけどね〜。」
今にして思えばあれは神の声であったか。
それから 日本全国に向けて250台も売れるようになるとは。
まさに必要は発明の命の母。日本中に需要はあったのでした。
最初はなにしろ初めて作るものなので要領が分からず、ニトリや無印良品にいろんなベッドを見に行きました。
組み立てに必要な金具もネットで調べると、いろんな種類がある!
あれやこれや模索をしながら作った初号機が上の写真。
現行の250台目と基本的には変わっていないので、初めから完成度は高かったかな。
使い方に感心
初号機が完成して配達・設置に行きました。
今あるベッドを少し横にずらして。
その隙間にプラスベッドを設置。
対応する市販のマットレスを載せる
幅狭のマットレスは市販されているのに、それを載せるベッドが売っていない?
不思議なことです。
でもそのおかげでニッチな市場を開拓することができた!
幅狭のマットレスを敷き詰めて一気にベッドが広くなりました!
カバーをかけると
広大なクイーンサイズのベッドに。
なるほど!こういうことやったんか!と素晴らしいアイデアに感心しましたよ。
名前で変わる
初めはなかなか注文が来ない。
そりゃそやわな。全く世に知られていないものが売れるはずはない。
プラスベッドの名前について、最初は「延長ベッド」「継ぎ足しベッド」などと呼んでいました。
ある開業セミナーで講師の先生から「名前がダサい!」とのご指摘。
なるほどそうか、確かにな。
何かいいネーミングはないかと考えているとウチの嫁さんが
「プラスベッドはどう?」と。これはいい!と即決。
価格を変えたりネットショップの商品説明文を変えたりしても効果がなかったものが、名前を変えてから段々と調子が上がってきました。
ネーミングは大事ですね!
これがなければどうなっていたことか
このアイデアを貰った時期は25年間勤めた会社を退職して脱サラをする直前。
木工作家としてネットショップを立ち上げるといっても、特に目立った商品もなし。
勢いで脱サラしたようなもので、当然最初は受注はほとんどない日々が続いてどうしようかと。
知り合いから棚の製作を依頼されるなどして、細々と続けていました。
そのうちプラスベッドの注文が少しずつ入りだし、8%から10%に上がった消費税増税がある意味、チャンスでした。
ウチは課税業者ではないけれど、やっぱりイメージからか直前の9月には22台ものご注文をいただくことに。
今では順調に1ヶ月に10台くらいのペースとなっています。
もしもこの商品がなかったら脱サラはとっくに破綻していたはず。
徳永くん!ありがとう!
いろんな種類を作っています
3年半の間にいろんなご注文をいただき、あらゆる種類のプラスベッドを作りました。
これが注文製作のいいところ!
どんな形でも作りますよ!
3台目のご注文は高さ1mのロフトベッド。
いきなりの難題でした。
どうやったら強度を保てるか、材料はどんなものがいいか。
どこに補強を入れればいいか・・・。
色々と調べて試行錯誤の末、なんとか作り上げて納品しました。
お届けした先では下を物置として、中学生の娘さんが便利に使用されています。
ヌックを製作
「ヌック」というもののご注文を頂いたことがあります。
ヌックとはこじんまりとした隠れ家のような居心地のよいスペース。
主に2つの意味があります。
1つ目は、「居心地が良いこじんまりとした場所」のこと。
2つ目は、「建物の一部に特別に作られる小規模な部屋」
なんかいい感じ!
ご注文を頂いたのは幅160cmもあるこんな幅広のベッドでした。
通常は1本のスノコ受けが2本必要に。
スノコを載せると
部屋中をベッドにして子供部屋が秘密基地になってるとのことです。
幅20cmの極狭もあり!
そうかと思えば幅が20cmという極狭。
単体では倒れそう。
既存のベッドからわずかにはみ出すマットレスをしっかりと保持しています。
兵庫県西宮市の高級住宅地に貰われて行きました。
やはり高級住宅地には簡易的なものは似合わない。
幅20cmながら健気に役目を果たしています。
これで安心して眠れそう。
こうしてブログを書いている間にも2台のご注文を頂きました。
2台とも神奈川県から。
今までのご注文の8割までが関東地方です。
首都圏の住宅事情とプラスベッドは親和性が高いみたい。
とはいえ北海道から鹿児島県までご注文を頂きます。
さあ頑張って作ろ〜!